2009年08月27日(木)
4-6月期GDP改定値は前期比1.01%のマイナス、予想より強気
[経済指標]
米商務省が発表した4-6月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比1.01%減となった。1947年の調査開始より初めての4四半期連続マイナス成長だが、速報の1.02%からほとんど変わらない減少幅はこの一年間で最小。市場が予想していた下方修正には至らなかった格好でもある。
経済の3分の2を占める個人消費が速報で1.24%減だったのから0.97%減に上方修正となった。耐久財が5.76%、非耐久財2.24%とそれぞれ当初見越していたよりも小幅のマイナスだ。また、サービスは0.18%と速報以上の伸び率に改定である。住宅投資は14四半期連続ダウン。ただ、これも速報の 29.26%を下回る22.85%減で、3四半期ぶりの鈍い減少ペースとなった。
貿易収支でも赤字幅が1999年1-3月期以来の小幅であるとともに、速報値より小さい3318億ドルに改定だ。GDPへの寄与度は従来推定の1.38ポイントから1.60ポイントにアップ。輸入の減少幅は前期比15.04%と速報とほぼ同じだが、輸出は4.95%に縮んだ。モノの輸入が従来推定を上回る落ち込みであり、モノの輸出とサービス貿易は速報より小さいマイナスだった。
政府支出が6.38%増加した。2001年10-12月期以来の高い伸びであり、速報の5.64%も上回るプラスだ。連邦政府での支出伸び率は10.94%とほぼ据え置き。地方政府で2.45%から3.60%に上方改定となった。
企業の設備投資が10.91%落ちた。4四半期続けての前期割れで、しかも速報値8.95%より大きいマイナスである。建造物への投資が速報の2倍近い 15.09%減に改定。しかし、機器・ソフトウエアは8.42%減でやや縮小した。在庫投資では速報以上の取り崩しだった。GDPを1.39ポイント削減し、従来推定の0.83ポイントを上回る。非農業でマイナス寄与度が速報の0.89ポイントに対して1.47ポイントだ。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が1.35%上昇した。昨年7-9月期以来のプラス転換。速報では1.32%上昇だった。エネルギーと食品を除いたコア指数の伸び率は1.97%だったのが2.00%に改定。3四半期ぶりの高い伸びである。前年同期との比較で、全体指数が0.19%低下し、コア指数は1.62%上昇。いずれも従来推定とほぼ同じ。
Posted by 直