2008年09月05日(金)
インフォーマ、米コーン生産見通し引き上げも大豆は下方修正
[穀物・大豆]
米有力アナリストのインフォーマ・エコノミクスが 2008/09年度の米コーン生産について124億600万ブッシェルと見通していることが伝えられている。前月時点での同社予測123億3000万ブッシェルから一段と引き上げた格好で、米農務省(USDA)による前月時点での生産推定122億8800万ブッシェルも上回る。インフォーマによる1ヘクタールあたりの平均イールド最新見通しは156.5ブッシェルで、従来予測155.4ブッシェル、USDAによる155ブッシェル見通しいずれと比較しても高い。
インフォーマは大豆について、生産30億3500万ブッシェル、イールド41.4ブッシェルとみていることも報道されている。コーンとは対象的に、大豆は前月時点での推定30億5400万ブッシェル、42ブッシェルから下方修正した模様。しかし、USDAによる推定(生産29億 7300万ブッシェル、イールド40.5ブッシェル)より高めの見方である。
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米ニューオーリンズのコーヒー焙煎施設、8日に再開・P&G
[コーヒー]
米消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)傘下の「フォルジャーズ」コーヒー部門広報はニューオーリンズ州にあるコーヒー焙煎施設を8日に再開する計画を発表した。ハリケーン「グスタフ」対策として先週末から周辺の関連施設を全面閉鎖していたが、配送センターは既に稼動しているという。ほかの施設も10日には平常化する見通しも示唆。また、ハリケーン被害は最小限にとどまったことを記し、ほとんどの施設では後の清掃が必要なだけだったと報告している。
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8月非農業雇用数は前月から8.4万人減少、予想上回る落ち込み
[経済指標]
米労働省が発表した8月の非農業雇用数は前月比8万4000人減った。8ヶ月連続マイナスとなり、また減少幅は市場予想を上回る。また、7月の前月比が速報段階での5万1000人から6万人に改定となり、6月分は従来推定で5万1000 人だったのが10万人に広がった。雇用は今年に入ってあわせて60万5000人減少し、月平均7万 5000人のマイナスである。
8月は民間だけに絞って10万1000人減り、昨年12月から9ヶ月連続ダウンとなる。また、この間で10万以上に減少したのは4回目である。カテゴリー別でもほぼ軒並み前月比マイナスだった。
鉱業や建設を含めた製造業全体の雇用は5万7000人減った。17ヶ月連続ダウンで、前月以上のマイナス幅だ。しかも、製造業だけだと6万1000人と 2003年7月以来の大幅減少だった。耐久財が5万5000人ダウンとなり、やはり2003年7月以降みることのなかった大きなマイナスである。主因は自動車および部品メーカーでのレイオフ拡大。3万9000人落ち込み、1998年7月以来の大幅減となる。ほかの耐久財では木製品や一次金属、家具などの削減が目立った。一方、ハイテク関連では前月比プラスが並んだ。
非耐久財が前月を6000人下回った。前月に1万7000人(修正値)と 2006年10月以来の大きな落ち込みとなったのから削減ペースが鈍化。業種別で大勢は前月割れだが、その中でテキスタイルが700人、アパレルが200 人とそれぞれ小幅にも約1年ぶりの増加に転じた。
建設が8000人ダウンである。昨年8月からの減少基調を維持したが、この間で最も小さいマイナスだった。住宅建設での雇用が4400人のマイナスで、昨年6月以来の小幅減少。商業用は2900人と2ヶ月連続増加した。天然資源・鉱業の雇用が1万2000人アップとなり、これは1989年8月以来の大幅増加だ。
サービス業は2万7000人減った。6月の前月比改定により3ヶ月連続マイナスで、またちょうど5年ぶりの大幅減少である。また、民間だけに限って4万4000人落ち込み、今年2回目の4万を超える減少だ。
民間サービスで最も規模の大きい小売は9ヶ月連続減少し、また1万9900人と3ヶ月ぶりの大幅マイナスである。このうち自動車ディーラー、飲食店でそれぞれ1万以上減り、百貨店や健康管理関連での需要後退も目立つ。輸送サービスでは4300人と4ヶ月続けて減少。航空、鉄道、海上と揃って前月割れだったが、トラック輸送は増えた。
金融関連が前月と同じく3000人減った。これで5ヶ月連続のマイナス。保険やクレジット関連での需要が落ちた。しかし、証券は4000人増加。4ヶ月ぶりのプラス転換であり、また昨年5月以来の大幅増加だった。不動産は500人ダウンで、前月の3分の1も下回る減少。賃貸・リースサービスで600人減った。
プロフェッショナルサービスが5万3000人減った。5ヶ月ぶりの大幅マイナスである。中でもさえなかったのが事務関連。また、このカテゴリーに入る短期派遣が3万6900人減り、今年2番目の大きな減少となった。一方、会計やコンピューターシステムデザインなどは増加した。
娯楽が4000人減少した。7月分も速報で増加だったのから5000人ダウンに改定で、2ヶ月連続して前月を下回ったのは2005年9-10月以来となる。ただ、減少はホテルの8300人だけで、美術館や劇場、遊園地、外食サービスはそれぞれ前月比プラスだった。
サービスで需要が堅調だったのは教育、医療である。教育だけで1万6300人増え、医療管理は2万6900人増。
政府雇用が1万7000人増えた。7月の6000人増(修正値)よりペースが速まった。ただし、連邦レベルでは郵便局の需要ダウンを反映して1000人と1月以来のマイナスだった。州政府と地方政府での需要増加で補った格好である。
週間平均労働時間は33.7時間となった。7月分が速報での33.6時間から33.7時間に改定となり、8月は横ばい。市場予想とも一致した。時間あたり賃金は前月比0.39%上昇した。賃金伸び率も7月分が速報値0.33%から0.39%に上方修正となり、この結果8月は前月から変わらず。市場予想よりやや高めの伸びである。賃金は前年同月と比較して3.60%上がった。前年比伸び率は3月以来の高水準だ。
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8月失業率は6.05%に大幅上昇、予想も大きく上回る
[経済指標]
米労働省が発表した8月の失業率は6.05%となった。前月の5.68%%から予想外の上昇で、2003年9月以来の高水準である。失業率の母数で、実際に就労中の人や就職活動を行なっている失業者など自己申告をベースとした労働力人口は前月から0.16%増加し、しかし、労働力人口への参加率は3ヶ月連続の66.1%である。
労働力人口のうち就業者が前月から0.80%減り、一方、失業者は6.74%増加した。非労働力人口は横ばい。
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欧州ブローカー、世界砂糖供給過剰から不足の見方にシフト
[砂糖]
欧州の砂糖ブローカー大手キングスマンは5日に発表した四半期ごとの世界砂糖市場レポートで、2008/09年度(4- 3月)の需給を383万トン生産不足と見通していることを示した。5月の前回報告で329万トン生産過剰と見ていたのから需給逼迫の見方にシフト。必要以上の降雨から生産コスト高騰、ブラジル通貨の上昇、エタノール価格上昇と複数の要因でブラジルの砂糖生産が落ちていることを一因に挙げている。
また、インドでも主要生産地マハラシュトラ州でモンスーン到来が例年より遅れて砂糖きびの生産に影響したことも指摘した。インドではまた価格差でほかの農産物生産に乗り換える動きもあることを取り上げている。
キングスマンは世界生産見通しを従来の1億6630万トンから1億6060万トンに引き下げた。一方、消費は1億6443万トンと見通しており、これは前回報告での1億6300万トンより高めの見方である。消費については中国とインド、米国での拡大を記した。
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2008年09月04日(木)
ブラジル08/09年度砂糖きび収穫、11.1%増見通し・CONAB
[砂糖]
ブラジル農務省商品供給公社(CONAB)は、2008/09年度の国内砂糖きび収穫が前年比11.1%増の5億 5871万7700トンになるとの見通しを発表した。4月に明かした初回予想レンジ5億5812万2000-5億7978万6000トンの下限にあたる。修正に伴い、砂糖生産用には2億4089万4700トンと従来の最低予想を下回る見方となった。エタノール生産に当てられる分は3億1782万3000トンで、初回予想レンジの中間よりやや高めをみている。比率は前年度に46%対54%だったのが43.1%対56.9%とエタノール用消費が増える。
砂糖生産は前年比4.81%増の3278万3000トンと見越している。砂糖引きの消費見通しとともに、初回の予想レンジ下限も下回る見方である。エタノール生産は前年度から17.7%増えて270億8598万2400リットルとみている。ガソリンに混合される無水エタノールは98億1662万7300リットル、ガソリンの代替になる含水エタノールは172億6935万5100万リットルと予想。含水エタノールは前年より2割強のプラスを予想しており、またエタノールについてはいずれも初回予想レンジの中間以上の見通しとなった。
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8月の米小売販売予想以下、消費者の慎重姿勢示す
[金融・経済]
米小売大手各社が発表した8月の販売結果は消費者が引き続き支出に慎重なことを示した。国際ショッピングセンター協会(ICSC)が各社データを集計したところ、8月の既存店売上高は前年同月比1.7%増加。7月の伸び率2.6%を下回り、ICSCが見通していた2%にも届かなかった。しかも、最大手ウォルマート・ストアーズの予想を上回る3%増を除くと前年比横ばいだったともいう。
ICSCのチーフエコノミストは、景気減速に加えて気温低下や降雨など天候による影響を指摘した。一方、ガソリン価格が下落基調にあるが、1ガロン3ドルまで下がらない限り、消費への効果は限定的とコメント。ガソリン一段安でも収入不安や食品価格の高騰、住宅市場の不振など悩みは尽きないと消費見通しに警戒を示しており、同氏は9月の販売が前年比2%前後の増加にとどまると予想した。
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今後戦略備蓄原油放出の要請が増える、米エネルギー長官
[エネルギー]
ボドマン米エネルギー長官は4日、今後米石油会社からハリケーン「グスタフ」による生産停止を受けた戦略備蓄原油(SPR)放出の要請が増えるとの見通しを示した。ダウジョーンズ社が伝えた。シトゴが25万バレルのSPR貸し出しを承認されたほか、現在マラソンオイルの要請について省内で検討中、恐らくは他の石油会社からも要請があるという。
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2008年の豪州小麦生産、雨量次第で最高2200万トンに増加見通し
[穀物・大豆]
国際商社ルイ・ドレフュスのオーストラリア子会社幹部は4日、2008年のオーストラリア小麦生産について2100万トンから2200万トンに増加の見通しを示した。最近の降雨による効果を理由に挙げており、今後の雨量次第ではレンジ上限に到達するとの見方だ。予想の下限でも前年の1300万トンを大きく上回る。
同氏はまた、収穫が2200万トンとなった場合に2009年の輸出は1400万-1500万トンになると見通した。前年が700万-800万トンと推定されており、2倍に膨らむのをみている格好である。
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物価上昇は相当な期間続く恐れがある、ECB総裁
[要人発言]
ECBのトリシエ総裁は4日に開いた理事会後の定例会見で、前回の理事会以降に入手された情報によると、インフレ率は物価が安定しているとされる水準を相当な期間大きく上回る可能性があり、中期的な物価安定リスクは上方に向いているとの見方を示した。
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