2008年08月29日(金)
IGC、小麦とコーンの世界生産推定を引き上げ
[穀物・大豆]
国際穀物理事会(IGC)は29日に2008/09年度世界穀物需給の月次報告を発表し、北半球の一部生産国で過去最高が見込まれていることを理由に生産見通しを引き上げたと記している。小麦生産については前月時点での6億6200万トンから6億7200万トンに改定し、前年比10.3%増加の見方。特に欧州連合、ロシア、ウクライナの改善が寄与しているという。
2008/09年度の世界小麦消費は前年比5.1%増の6億4300万トンと見通した。前月時点での推定から400万トンの上方修正である。期末在庫は700万トン引き上げて1億5100万トンと予想。前年度の1億2200万トンから積み増しが進み、2002/03年度以来の高水準になるとの見方だ。主要輸出国5カ国で在庫が著しく膨らむのをみているという。
2008/09 年度世界コーン生産見通しは1500万トン引き上げて7億7400万トンとした。前年割れの見方は変わらないが、減少率は前月報告での3.3%から 1.4%にダウンとなった。米国の生産見通しを前月での3億500万トンから1000万増やしたといい、これは低気温と降雨で作柄が平年以上のためと説明している。また、中国やメキシコの見通しも明るいとコメント。
IGCは、コーン消費を700万トン上方修正して7億8900万トンとした。前年比1.9%増の見方である。期末在庫は前年度の1億2700万トンから1億1200万トンに縮小をみている。前月報告時の1億1200万トンからは引き上げであるが、それでもなお5年以来の低水準の見方を維持している。このうち、米国の在庫見通しを前年度の4000万トンから2500万トンに落ちると見通す。家畜の縮小や小麦などとの価格差を背景に飼料用需要が限られる反面、エタノール用で消費が伸びるためという。
IGCはこのほか、2008/09年度の世界コーン輸出を4年ぶりの低水準となる5200万トンと見越している。生産増加、飼料向け需要が低品質の小麦やほかの穀物に押されていることで輸入が伸びないとの見方を示唆。ブラジルやアルゼンチンの輸出規制維持の可能性も挙げた。
Posted by 直