2009年05月08日(金)
4月非農業雇用数は53.9万人減少、予想以下の落ち込みにとどまる
[経済指標]
米労働省が発表した4月の非農業雇用数は前月比で53万9000人減少した。昨年1月から16ヶ月連続ダウン。しかし、4月は昨年10月以来の小幅マイナスとなり、市場予想も下回る。一方、3月の減少数が速報の66万3000人から69万9000人に引き上げとなった。2月も68万1000人と従来推定より3万人多い減少に改定。雇用はこの16ヶ月間にあわせて573万8000人減り、今年に入ってから266万人ダウンとなる。
4月の雇用は民間だけだと61万1000人減った。政府が7万2000人増加したことから全体より大きな前月比マイナスだが、これも5ヶ月ぶりの小幅減である。カテゴリー別でも大勢は引き続き前月よりダウンとなりながら、スローダウンしたものも少なくない。
鉱業や建設を含めた製造業全体の雇用が27万人、製造業だけなら14万9000 人といずれも昨年11月以来の小幅マイナスだ。耐久財が12万7000人のマイナスで、この3ヶ月間ペースがほとんど変わらない。非耐久財は2万2000 人と前月の約半分の減少。業種別では、通信機器と食品メーカー、皮革製品、石油製品が前月から増加した。
建設が11万人減少した。 2007年7月から前月を超えたことはないが、それでも4月は今年最小のマイナスである。住宅建設が1万2600人、商業用は9100人減。いずれも年初から最も小さい減少だ。天然資源・鉱業の雇用は6ヶ月連続前月比マイナスとなり、しかし1万1000人と前月を下回る。
サービス業は26 万9000人減り、政府の減少分を差し引いて34万1000人ダウンとなった。いずれも昨年10月以来の小幅マイナス。サービス業で比率の高い小売が 4万6700人減り、前月からスローダウンである。ほとんどの小売が前月割れとなった中で、ガソリンスタンドが900人増加した。逆に、百貨店で1万 3600人とサービス業で最も大きなマイナス。自動車・部品のディーラーも1万1600人と1万を超える減少だった。
金融が4万人減った。2007年8月から連続して前月を下回っているが、4月はやはり前月に続いて減少ペースが鈍った。金融機関で前月以上に落ちた一方、不動産関連が今年最小の減少だ。プロフェッショナルサービスで12万2000人とやはり半年ぶりの小幅マイナスだった。事務や建築関連、ビジネスサポートなど大勢は前月を下回るが、会計、コンサルティングは増加した。このカテゴリーに入る短期派遣は6万2500人ダウン。このカテゴリーで落ち込みが目立った一つであるが、短期派遣もまた昨年10月以来の小幅減とペースは鈍い。
娯楽やホテル・外食、メディア、輸送サービスなども再び需要ダウンとなった。また、教育が3ヶ月連続減少。一方、医療需要は底堅い。
政府雇用は2001年6月以来の大幅増加となった。連邦政府が前月より6万6000人増え、これは2000年5月以来の大きなプラスだ。ただし、労働省によると、連邦政府の雇用増加が急速に進んだ背景には2010年国税調査に関連した一時雇用があった。州政府は2000人増えて、前月減少した分を戻した。地方自治体でも4000人のプラス転換。
週間平均労働時間は前月と同じ33.2時間だった。これは1964年からの調査史上最小。時間あたり賃金は前月から 0.05%上がった。2004年3月から前月を上回る水準を維持しているものの、4月はこの間で最も低い伸びだ。また市場が予想していた以上に緩やかな上昇である。
Posted by 直