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2006年11月21日(火)

FEDの見通しは誤りを犯しやすい、ウォルシュ理事
  [要人発言]

FRBのウォルシュ理事は21日、NY証券取引所でスピーチを行い、景気やインフレに
ついての見通しを述べた。

景気見通しについては、最近の指標を総合的に見る限り、年初から9ヶ月間の間に経済
活動は著しくスローダウンしていると分析。住宅市場の急激な落ち込みはは来年にかけても
景気の足を引っ張るととした。しかしながら(住宅)市場は既に安定し始めており、全般的な
経済成長は7-9月期の低迷から回復、長期的な成長トレンドに近づくと予想している。

インフレについては年初に比べると沈静化したものの、依然として満足できる水準にはないと
指摘。市場では穏やかなダウントレンドを織り込み始めているが、インフレリスクは明らかに
存在すると警告した。

また、フェデラルファンドやユーロダラーといった短期金利先物市場が、2007年の間に
0.5%利下げを織り込んでいることも取り上げている。オプション市場でのボラティリティーが
非常に低いことは、市場がかなり確信を持っていることを示唆しているが、私の見通しは
それよりも幅が広いと述べた。

長短金利差が逆転していることに関しては、金融政策の決定者にとって重要な議題の
一つと指摘。(逆転が)新市場を含む長期債への需要増が原因なのだとしたら、金融は
引き締められるべきで、一方景気のスローダウンを見越しての現象なのだとしたら、
緩和されるべきだと述べた。

講演後の質疑応答では、イールドカーブの逆転は必ずしも景気の落ち込みを
示唆しないと見解を示している。

市場との対話については、金融市場がFEDの政策に反応し、それを見てFEDが更に
政策を決定するという、「ミラー・プロブレム」の問題を指摘。FEDの情報発信や
見通しは「誤りを犯しやすい(fallible)」と警告した。

ウォルシュ理事は春先にFRBの理事に就任したが、景気やインフレについて
具体的な見通しを述べたのは今回が初めてと思われる。

Posted by 松   

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