グリーンスパン前FRB議長は9日、ボストンで開かれた会議でスピーチを行い、
中間選挙で民主党が勝利を収めたことを受けて経済政策が大転換することは
無いとの見通しを示した。

「これは共和党が敗れた選挙であって、民主党が勝利したわけではない。
(民主党の）政策はまだはっきりしておらず、政府の政策が大きく変わることは
まず無いだろうと語った。

変化の一例としては、企業の内部統制強化を目的としたサーベンス・
オクスリー（SOX)法が修正される見通しが高いとし、法遵守のために
高いコストを払っている企業の不満を和らげる措置が取られるだろうと
している。この法律により金融セクターの海外移転が加速する可能性が
あり、新しい議会はそれを阻止するため何らかの策を講じるという。

景気の見通しにおいては、非常に楽観的な見方を披露。ここ4、5ヶ月の
経済成長は非常に弱かったが、住宅市場に牽引された現在の急激な
落ち込みは、一時的なものと認識しているという。住宅市場は最悪期を
過ぎており、企業の投資は極めて良好とも述べている。

労働生産性については､この先も間違いなく伸びていくとしながらも
伸び率については歴史的に見ても年に3%以上は望めないとした。

商品価格の上昇については、原材料の分野は先進国の経済構造の中では
それほど大きな割合を占めているわけではなく、頭を悩まる問題では
ないとした。しかしながら、中国のような工業国にとっては
より大きな問題だとも述べた。