2021年11月30日(火)
オミクロン株による景気や物価への影響に懸念・FRB議長議会証言
[要人発言]
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は30日に上院銀行住宅都市委員会でCARES法の下で義務付けられている証言を行い、新型コロナウィルスのオミクロン株出現による景気や物価への影響に懸念を示した。最近のコロナ感染拡大に加えてオミクロン株が出現し、雇用や経済活動の下振れリスクが高まり、またインフレを巡る不透明感が強まったとコメント。特に気掛かりであるのは、人々の仕事意欲が後退し、労働市場の進展がスローダウン、サプライチェーンの混乱が更に進むことだと述べた。
物価に関すると、需給の改善とともに、インフレ率が来年に著しく低下する見通しを維持していると述べた。ザプライチェーン問題の持続性や影響を予想するのは難しいとしながら、現時点で物価を押し上げている要因が来年にかけて続くようだともいう。雇用改善が進む中、賃金の上昇ペースも速まっているとの見方を示した。また、インフレに関して、一時的(Transitory)という表現は外す時がきたとの認識を示したほか、12月のFOMCではテーパリングのペースを速め、当初の見込みより早く終了する可能性を議論する意向を示した。
パウエル議長とともに証言に出席したイエレン財務長官は、景気回復が想定していた通り進んでいると評価し、現時点で力強い回復を見込んでいるとした。それでも、オミクロン株を注視しているといい、オミクロン株についてさらなる情報が必要なことを認識するとともに、ワクチン接種の重要性にも言及した。
Posted by 直 11/30/21 - 12:11