2006年11月28日(火)
米国の赤字は市場が解決、グリーンスパン前FRB議長
[要人発言]
グリーンスパン前FRB議長は28日、NYの投資家セミナーでスピーチを行い、市場が柔軟性を持ち合わせている限り、米国の経常赤字の問題はいずれ解決されるとの見方を示した。
生産や雇用に大きな影響を与えることなしに赤字の修正がなされることはない、との考え方は根拠がないとし、柔軟性を持ち合わせている限り市場の中で調整が行われるとの見方を示した。また、ドルの調整が実際の経済活動に影響を与えることもないという。ドルは基本的に保護貿易主義者の問題であり、経常赤字は既にドルの価値を引き下げているとも述べている。
住宅市場は既に最悪期を脱しており、GDPへの影響は恐らく06年7-9月期が最大になるという。住宅価格が下落することは相当長い期間見られなかったことであり、この先個人消費に影響が出てくるとも見通している。
金融市場における金投資の重要性については、金価格がインフレの良い指標であるとは考えていないし、必ずしも良い投資であるとも限らない、と否定的な意見を述べた。金は文明が崩壊するときに好んで投資されるものとも述べた。
民主党が議会の多数を取ったことで改正が予想されるSOX法については、会計手法は理に適ったもので、今後数年のうちに芸術的作品になると評価、CEOやCFOに対し財務諸表への署名を求める点も、非常に有益とする一方、その他の部分はただコストを創り出すだけで、有益なものはないと批判した。
Posted by 松