2006年11月28日(火)
利上げが不十分のリスクも、フィラデルフィア連銀総裁
[要人発言]
フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は28日、NYのロチェスター大学で講演、目先の経済成長について楽観的な見方を示す一方、インフレについては警戒感を改めて表明した。
過去数ヶ月のインフレ指標が良い傾向を示しているのは事実だが、これらの数字はエネルギー価格の下落を反映したもので、過大評価してはいけないと警告。原油価格が落ち着きを見せ始めたことから、今後出てくる数字に実態がより大きく表れてくるとした。
FEDによる金融緩和政策が現在のインフレの原因となったことを否定することは出来ず、もしそうだとすれば(緩和政策の)影響を完全に払拭するまで利上げを続けなければインフレは沈静化しないという。
FOMCは過去2年間にかなりの利上げを行なってきており、この先何もしなくてもインフレは適切な水準に収まっていくかもしれないが、インフレを考慮した金利は依然として低く、物価が安定した水準に戻るためには利上げが不十分であるリスクも残るとした。
講演後の質疑応答では、人民元の問題がインフレに大きな影響を及ぼすことはないとの発言や、市場が利下げを織り込み始めていることについて憂慮はしていないとの発言も聞かれた。市場がどのような見方をしていようが、FEDは(インフレの安定と言う)責務を全うするだけだという。
プロッサー総裁はFOMCの投票メンバーではない
Posted by 松