2022年06月15日(水)
2023年の世界需要はパンデミック以前の水準を超える、IEA月報
[エネルギー]
国際エネルギー機関(IEA)は15日に発表した月報で、2023年度の世界石油需要が日量1億16万バレルに達し、COVID-19のパンデミック以前の水準を上回るとの見通しを示した。価格の高騰や景気の減速が消費の増加を抑制する中でも、中国の需要回復が全体を主導、需要の伸びは前年比で日量220万バレルと、2022年度の180万バレルから拡大するとしている。2022年度にはOECD諸国の需要の増加が中心となったが、2023年度には非OECD諸国の増加が全体の80%を占めるという。
供給面では、非OPECプラス産油国の生産が2022年には日量190万バレル、2023年度には180万バレル増加、全体を主導すると見られている。OPECプラスに関しては、制裁によるロシアの生産減少に加え、中東以外の産油国の生産も減少する可能性があると指摘した。
2022年の製油所稼働は、2022年に日量100万バレル増加、2023年には160万バレルにぞうかはばが拡大するとの見通しを示した。しかしながら石油製品市場の逼迫は継続、特にディーゼル燃料とケロシンの供給不足が懸念されるという。5月にはディーゼルの精製マージンが低下した一方、ガソリンとジェット燃料には季節的な上昇が見られた。
世界の石油在庫はほぼ2年にわたって取り崩しが続いた後、4月には7,700万バレル増加した。OECD諸国の在庫は4月末時点で26億6,900万バレルと、戦略備蓄の放出の効果もあって4,250万バレル(日量142万バレル)の積み増しとなった。2017-2021年の平均である2億300万バレルは、依然として大きく下回っている。速報データによると、5月には600万バレルの積み増しが見込まれるという。
Posted by 松 6/15/22 - 06:24